「多分それは、対位法楽曲の演奏の基本練習もせず知識もない小学生の頃に、あの複雑な構造をもつインヴェンションやシンフォニアを、レッスンのたびに勉強しなければならなかった後遺症ではないのでしょうか」 (実践編のバッハの項より)
事前の対位法楽曲の基本練習の有無が原因か解りませんが、確実にインヴェンションのせいでバッハ嫌いです。
今回は、少し前の日記「ポジション確認も大切」で言っていた本がネタです。
「こうすればピアノは弾ける -日本人の手のために-」
(著者:永冨和子、学研、2007年4月25日第1刷)
「日本人の手のために」に惹かれました
出版年から、古くて今時変って事も無さそうだったし。
読んだいくつかの本と同様に、弾く時の手の形や脱力についてから始まりますが、著者が違うと視点が変わるので、読むたびに「ふむふむ」となります。
基本の形というかポジション系の話で私の注意を惹いたのは打鍵後の脱力についてです。
他の本にも、音が出たら減衰するだけ、出た音を変える事は出来ない、力を入れている必要は無い、というような事は書かれていましたが、「音を出したら指先は脱力」という書きかたは初めてだったと思います。(たぶん)
それと、打鍵時の親指の状態が書かれていたので、親指の状態と指先の脱力を意識したスロー練習をしてみたのでした。(「ポジション確認も大切」の時)
解った事は、動きもだけど感覚も左手どんくさい鈍い
解ってはいたけど、けっこう違うんだな~。
そして手首を柔らかくするためブラブラしている私・・・ ←これはなんか違う?
だって、ポイントは親指と打鍵後の指先の脱力と手首の柔らかさだというので・・・
著者は若い時にパリでコルトー先生のメトードを勉強したそうです。
コルトー・メトードの解説本ではありませんが、あの練習はそういう意図があるのか、と思わされるヶ所がありました。
どんくさい鈍いのでコルトー先生のネチっこいマゾい練習をしようかと思います。(今はね。挫折するかもね)
それに先立ってある本を購入。(数日後に届く予定)
あと、音型ごとの弾く時のポイント、作曲家(有名な所10人分)ごとのポイントも書かれています。
音型ごとのポイントで、読む前から気になるのはやはりオクターブです。
広範囲の音を弾く時、同時打鍵(和音)でない時はずっと手を広げ続けず(力を入れ続けず)に弾いたら脱力すること。 えーっと・・・手を広げっぱなしで連続打鍵していたと思います
一度掌を閉じるくらいの気持ちの力の緩め方かなと思うのですが、てことは、打鍵後瞬時に指先や掌の脱力が必要です。
オクターブを和音で弾く時は手首の柔らかさなどが必要です。
音型ごとのポイントを読んでいると、ハノンを練習する時、つい音が出ればいいという練習をしてしまいがちだけど、手首や脱力、手や指のポジションに注意しながら練習すべきなのですね。
S先生にもいくつか注意を受けた事があるけど、本は文章化されて理解しやすくなっているのがいいですね。ただ漠然と認知して弾いていた事が具現化したという感じ?
そして、コルトー・メトードはこういう練習を地道にしていくテキストなのでしょうね。そう思います。だから見た目ああいう感じ・・・
作曲家ごとのポイント(実践編)で、バッハの所に一番上に書いた事が書かれていました。
バッハについては去年少し本を読んだのでアレですが(なんだ?)、やはり構造が大切。ロマン派的に感情に左右されず構造を意識した演奏に努めるべきなんだろうと。そういう意味では疲労時によさそうです。(ぇ) 疲労時はミスが多発しますが・・・、様々な感情や思惑が入らないのでいいかな~と・・・
しかしだ、構造のみならず、分析する力が無いんだよ~(ノ∀`)・゚・。 アヒャヒャヒャヒャ
尤も、作曲法を勉強していないとちゃんとした分析は無理っぽいです
あ、サブタイトルの「日本人の手のために」については、極端に期待してはいけません。
【追記】
楽譜を読む時、横読み、縦読みをするという内容がありました。
日記「ナンネルの映画を見て」で書いた事と通じています。
いろいろ繋がっていて面白いね。
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